じっと皺だらけになった咲夜を見詰める。
小首を傾げるてこちらを見返す咲夜。
人間は死ぬ。このテーブルに飾ってある枯れかけた花の様に。
咲夜も例外ではないと最近、実感してきた。
「ねえ、吸血鬼になってみない?」
「嫌です」
間髪入れずあっさりとした答え。
まあ、予想通り。
しかし、このまま咲夜を死なすのは惜しい。
妖精メイドでは代わりなんて務まらない。
どうにか出来ないだろうか。
いや、案ずるより産むが易し。
とっと行動に移そう。
「咲夜、屈んでくれる?」
咲夜は怪訝そうな顔しながら従ってくれた。
目と目を合わせ、魅惑の魔眼を発動させる。
手応えあり。いや、この場合は目応えだろうか。
「吸血鬼になって咲夜。」
出来る限り甘い声を出して、咲夜を誘惑する。
「二度も同じことを言わせないで下さい。嫌です」
そういや、コイツ真実の月を見ても何とも無かったな。
作戦失敗。
咲夜に謝りながら、次の作戦を考える。
「という訳よ。知恵を貸してパチェ」
作戦。知識人に聞いてみる。
「私が研究で忙しいのを知ってる?」
「不老不死の研究よ。大体パチェだって咲夜死んだら困るだろ?」
パチェはため息を吐きながら賢者の石を取り出した。
「これをお茶にでも混ぜて飲ませなさい」
「さすが、知識人。頼りになる」
賢者の石を手に書斎を後にした。
貰った賢者の石を砕いた。
この粉をお茶に入れれば咲夜はもう死ななくて済む。
私は、意気揚々と一服盛ったお茶を入れる。
何故か、七色に輝くお茶になった。
まあ、人間は年を取ると目の前の物が見えなくなるらしいから大丈夫だろ。
妖精メイドを捕まえて咲夜を呼ばせる。
数分すると音もなく咲夜が現れた。
「なんですか?おやつならまだですよ?」
「いや、たまには従者を労おうと思ってね。紅茶を入れてみたんだ」
嬉しさと不信が入り交じった顔の咲夜がカップを手にとる。
ゆっくりと口に近づいて行く。
少し躊躇いながら口に含み、飲んだ。
勝利の笑みが溢れる。
今なら閻魔の説教も気分良く聞けるかも知れない。
「素晴らしいです。お嬢様は飲まないんですか?」
「ええ、私も頂くわ。」
形容詞しがたい味が口に広がる。
これが素晴らしいか。
人間は年々舌が壊れていくというのは本当かもしれない。
「それでは、まだ仕事がありますので」
来た時と同じように音もなく消え去った。
ふと、テーブルの花瓶に挿してある花が視界に入った。
今にも七色に輝きそうな程、美しい。
おかしい、この花は萎れていた筈なのに私を讃えろと言わんばかりの存在感がある。
「……失敗ね」
この後も何度か挑戦したが全て、回避された。
年月ばかりが過ぎていった。
「お嬢様。先に逝きますね」
ベットに横たわった咲夜が蚊が鳴きそうな声で呟く。
艶やかな銀の髪はくすみ、肌は弛んでいる。
なのに咲夜は昔のままだ。
「ところで、咲夜若返る気はない?」
「色々お世話になりました。お嬢様」
咲夜はこれでお別れだと思っているらしい。
甘い。甘すぎる。
紅魔館に退職制度なんて有りはしない。
咲夜が死んだら血を吸い吸血鬼化させる。
これなら私は死ぬ人間ですというのも問題ない。
正しく悪魔の知恵、時々自分が怖くなる。
「私の最期の願いを聞いて貰えますか?」
「良いわよ」
「死んだら火葬にして下さい。あと死神を追い返したり、監禁したりしないでくださいね」
完膚なきまでに読まれてた。
「仕方ないわね」
咲夜は安心したように笑う。
そうして、息を引き取った。
「ところで咲夜生き返る気ない?」
「地獄まで来ないで下さい」
小首を傾げるてこちらを見返す咲夜。
人間は死ぬ。このテーブルに飾ってある枯れかけた花の様に。
咲夜も例外ではないと最近、実感してきた。
「ねえ、吸血鬼になってみない?」
「嫌です」
間髪入れずあっさりとした答え。
まあ、予想通り。
しかし、このまま咲夜を死なすのは惜しい。
妖精メイドでは代わりなんて務まらない。
どうにか出来ないだろうか。
いや、案ずるより産むが易し。
とっと行動に移そう。
「咲夜、屈んでくれる?」
咲夜は怪訝そうな顔しながら従ってくれた。
目と目を合わせ、魅惑の魔眼を発動させる。
手応えあり。いや、この場合は目応えだろうか。
「吸血鬼になって咲夜。」
出来る限り甘い声を出して、咲夜を誘惑する。
「二度も同じことを言わせないで下さい。嫌です」
そういや、コイツ真実の月を見ても何とも無かったな。
作戦失敗。
咲夜に謝りながら、次の作戦を考える。
「という訳よ。知恵を貸してパチェ」
作戦。知識人に聞いてみる。
「私が研究で忙しいのを知ってる?」
「不老不死の研究よ。大体パチェだって咲夜死んだら困るだろ?」
パチェはため息を吐きながら賢者の石を取り出した。
「これをお茶にでも混ぜて飲ませなさい」
「さすが、知識人。頼りになる」
賢者の石を手に書斎を後にした。
貰った賢者の石を砕いた。
この粉をお茶に入れれば咲夜はもう死ななくて済む。
私は、意気揚々と一服盛ったお茶を入れる。
何故か、七色に輝くお茶になった。
まあ、人間は年を取ると目の前の物が見えなくなるらしいから大丈夫だろ。
妖精メイドを捕まえて咲夜を呼ばせる。
数分すると音もなく咲夜が現れた。
「なんですか?おやつならまだですよ?」
「いや、たまには従者を労おうと思ってね。紅茶を入れてみたんだ」
嬉しさと不信が入り交じった顔の咲夜がカップを手にとる。
ゆっくりと口に近づいて行く。
少し躊躇いながら口に含み、飲んだ。
勝利の笑みが溢れる。
今なら閻魔の説教も気分良く聞けるかも知れない。
「素晴らしいです。お嬢様は飲まないんですか?」
「ええ、私も頂くわ。」
形容詞しがたい味が口に広がる。
これが素晴らしいか。
人間は年々舌が壊れていくというのは本当かもしれない。
「それでは、まだ仕事がありますので」
来た時と同じように音もなく消え去った。
ふと、テーブルの花瓶に挿してある花が視界に入った。
今にも七色に輝きそうな程、美しい。
おかしい、この花は萎れていた筈なのに私を讃えろと言わんばかりの存在感がある。
「……失敗ね」
この後も何度か挑戦したが全て、回避された。
年月ばかりが過ぎていった。
「お嬢様。先に逝きますね」
ベットに横たわった咲夜が蚊が鳴きそうな声で呟く。
艶やかな銀の髪はくすみ、肌は弛んでいる。
なのに咲夜は昔のままだ。
「ところで、咲夜若返る気はない?」
「色々お世話になりました。お嬢様」
咲夜はこれでお別れだと思っているらしい。
甘い。甘すぎる。
紅魔館に退職制度なんて有りはしない。
咲夜が死んだら血を吸い吸血鬼化させる。
これなら私は死ぬ人間ですというのも問題ない。
正しく悪魔の知恵、時々自分が怖くなる。
「私の最期の願いを聞いて貰えますか?」
「良いわよ」
「死んだら火葬にして下さい。あと死神を追い返したり、監禁したりしないでくださいね」
完膚なきまでに読まれてた。
「仕方ないわね」
咲夜は安心したように笑う。
そうして、息を引き取った。
「ところで咲夜生き返る気ない?」
「地獄まで来ないで下さい」
この手の話は、もう少し深く掘り下げて書いて欲しいな。
いやぁ、でもヘヴィにならないのは良いなぁ。ていうか咲夜さん地獄行きなんだ;ww