Coolier - SS得点診断テスト

埋没SSのプロットとか原案を色々書いていく

2013/04/01 10:53:11
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 エイプリルフールネタ、今年は特に何も思いつかなかったため、私が以前書いてたSSの没ネタ案を書かせて頂きます。
 以前投稿してそのまま消したアレです。地霊の長編のアレ。
 まぁエイプリルフールだしこういうのもいいよね?
 えーっと今回書くのは以前書いてた地霊殿ネタの長編、これの裏設定をちょいちょいとやってこうかなぁ、
 古明地姉妹……このキャラに関してはあの作品で書いていたけれどもほぼオリジナル設定をごちゃごちゃ詰め込んだキャラクター、生まれは人の信仰の表と裏を一身に受けた岩が宗教戦争に負けて真っ二つに割られて長い時間をかけて人の感情を内部で反響させてたら人格を持ったという妖怪、生まれは細かく設定していないけど、自身を生んだ人の感情を強く求める傾向がある。それを自身の欲望に忠実だった方がこいしでそれに本能的に恐怖を持っていたのがさとり、というのもさとりとこいしのそれぞれに表に出ているのは人の感情に対するプラスの面とマイナスの面であって、それはまだ人格を持っていない時代の人々の信仰によって与えられた祈りに強く影響されている方とその後に信仰によって救われなかった人々の怨嗟に影響されているという二面性を表している。
 表面上だけを見るとこいしは祈りによってプラスの面が表面上に現れているのはこいしであり、怨嗟によるマイナスの面が出ているのは悟りのほうだが、彼女たちは一面性ではなく両面の性質を兼ね備えている。
 私自身のイメージとしてはさとりとこいしのイメージは陰陽図のあれで、多くの表面上の白い感情に覆われている部分も底には黒い部分があり、表面上には黒い部分で覆われていても白い部分が中心にあるあれであって、表面と取っ払ってしまって、その底にあるものはさとりこそが盲目的に何かを信じていて、こいしが何かを信じていない。
 それが後になって顕れるのが、こいしの能力喪失であり、多分当時書いてなかったけれども、オリジナル設定でさとりとこいしはこいしが能力を失うと同時にお互いが見えなくなった(ここをどう描写するかで非常に悩んだ正直ここをどうもっていくかで凄く悩んだ)さとりとこいしは二つの体がありながら一つの心を二つに割って出来た存在だから自分の背中を自分で見れないようにさとりは夢の中以外ではこいしの存在を認識できなかった。
 けれども二人はお互いの事は自分を完全に嫌いになれないくらいに好きで、その為にお互いを求めていた。
 こいしが能力を失って以降さとりは自身の感性で強く認識していた人間に対する恐怖によって、人間をよく理解しようとする。それが人の言語を多く理解する事だった。
 言語に人間の感性の分析の答えを見たのが彼女だった。
 彼女はあくまで視覚野の妖怪であったために心を「聞く」のではなく「見る」もしくは「読む」妖怪であるため人の心を知る場合、その視覚で見た光景やある感情を表す抽象画像や動画、或いは言葉で表す事の出来る感情であるために理解の出来ない言葉やそれによって発生する感情を見ることが出来ないために彼女は多くの言葉を収集して、人間と言葉を交わしながら自身の能力の出来る限りの事をした。
 彼女の能力は見て理解する事だけれども、見るということは人の心が映す数多の感情表現であり、それを直接理解するわけではない。そこから彼女の収集した数々の人間たちの反応から類推するのが彼女の能力の本質でだからこそ表面的な意識しか見えていない、と表現されるんだと思っておりました。
 対するこいしちゃん、これに関してもある程度考えてたんですけどね、正直にいっていいでしょうか?
 正直このSSを没にした最大の理由が実は私自身がまだ神霊廟本編が発表されていなかった事と、当然口授も発表されていなかった事もあり、とある方の能力なんて、このSS考えてる当時に知る由も無かった。
こいしちゃんの無意識を操る能力→さとりの集めた人の情報の集積から見えない閉じた瞳の代わりに発達した無意識を操る能力は他者の無意識(本能的欲望)を聞き取って話術でそれを叶える為に誘導させるって言う、ああもうこれは神子さんとまんま被ってるじゃんってなんていうか、もうこれ作品書くの無理じゃね?ってなったのが神霊廟製品版が出回った時の私の心境でこの時点で300kb以上あったプロットが完全に無意味になってしまって、もうこれ無理じゃんって思いながらも古明地姉妹だけじゃなくて旧地獄の世界観や勇義の感情やお燐やお空の生い立ち、その為に生まれた地霊殿の複雑な内部事情だとかそういうのを捨て切れなくて書いちゃったんですよねー
 神霊廟出てネタバレを見た瞬間もう泣きたくて仕方が無かった。
 別に豪族グループは嫌いではないけど、もうそんな経緯があったため実は未だに苦手意識があります。
 結局こいしちゃんが何をあれでやろうとしたかって言うと古明地姉妹って人の呼びかけに強い関心を示して、それと同化することを盲目的に望んでいた、けれども彼女たちの限界は自分と他種族の感情を観測するところでとどまり、あくまでそれに似せたものが自分の意識として顕れているという劣等感が合った。私の設定上、勿論人間他者の事なんてどんなに近くても完全に理解できる事は無いけれど、その辺りが先天的に人の意識が見える、或いは聞こえるという能力を持っていたがために、人間たちの集団性や社会性というものが統合された無意識によって出来ているという事を盲目的に信じている面があるのではないかとおもいます。
 特に作品で私は書きましたが人の心に強く関心を最初に示したのはこいしちゃんの方でさとり様はもう少しさめた見方をしていた。
 その表れが目を閉じる前のこいしちゃんの行動だったし、さとり様の臆病さだったんですよね。
 まぁそのときの好奇心って言うのはこいしちゃんは結局捨てきれないで、幻想郷の住民の全ての無意識の統合を行うというまたとんでもない事をやらせようとしてたんですよね。
 私自身古明地姉妹は多くの人が言う西洋心理学の妖怪だってイメージはじつをいうとそんなになくて、どちらかというと悟り妖怪の元ネタは東洋にあったから仏教の唯識の妖怪なんじゃないかなって思ってたんですよね。
 この当たり実はイメージが二つあって、一つがガンダムOOの量子演算コンピュータのヴェーダ、もう一つがゼーガペインのナーガ、
 だからこいしちゃんのやろうとしたことは、幻想郷に更に仮想空間を作ってその中に全ての幻想郷の住民の無意識を閉じ込める幻想世界を作るって言うトンでも計画を考えていたけど、これもなんか色々無理があるだろうなと、ひたすら考えてました。
 ちなみにプロットの段階でこいしちゃんに取り込まれなくて最後にこいしちゃんに挑むのは、霊夢と上海人形と橙とへたれきったさとり様でした。
 走り書きで「あんたの妹なんだから最後くらいあんたが責任取りなさい」ってお燐に言われてるさとり様の描写がありました。
 このあたりを自然に持っていく方法を思い付かなかったのも本当に良くなかったなぁとおもいます。
 古明地姉妹に関しては本当にまたいつかもうちょっと別の方法で書きたいけどこの設定捨て去るまで暫くは何も書けませんね。

火焔猫燐……お燐ちゃんに関しては大体のイメージが丁度「人形の哲学」以前に書いてたSSのイメージを流用していました。
 外の世界からの新参者で、さとり様が四季映姫様を抱きこんで外の世界に出れる特権を持っていたため妖怪化しはじめた時に色々やらかして人間に殺されそうになったのを高値で引き取ったある意味でさとり様の奴隷、けど心を見透かす妖怪であるさとり様を心の底から信じられなくてそれを表に出して回りから煙たがられていた。カミーユ並に反骨精神があるお燐ちゃん、だから妖精とか怨霊とかさとり様の支配下に完全に置かれていない物を従えていたっていうイメージがありました。このあたりは口授で完全に否定しちゃわれますがw
 そんななかで無害で無邪気なお空をさとり様にあてがわれて最初不満たらたらだったけど段々こいつの事が放っとけないなという気持ちで付き合うことになるけれど、それがさとり様のとった懐柔策だっていうのも薄々理解していたけれど、お空のそういった感情に嘘はないとおもっていた。
 思っていたけれどお空の過去を知って、お空が人一倍に悩んでいる存在だって知ってさとり様に知らせないで自分でお空の暴走を止めようとしたのはその辺りにある。(地霊異変)
 けど地霊異変自体がさとり様が深く関わっている事を知って反旗を翻す、お空を連れて地上に逃げ出すけれど、神奈子様が作ったトラップでお空休止して、怒りに任せて守矢神社に殴りこみに行く、早苗を神奈子様が見える場所でボコボコにして人質に取って神奈子様挑発してお空のヤタガラスを無くす様に迫るけれども、神奈子様の逆鱗に触れてバトルになる。
お燐の能力ってなんだろうなって私自身が口授発売するまで考えてたのが、丁度茨歌仙で華扇ちゃんが怨霊は金や毒素を生み出すって言うのがあったから、怨霊をその場で瞬間練成して彼女の名前の通りのリンに変えてそれを爆破させる某鋼の錬金術師のキャラみたいな戦闘方法なんじゃないかなと思ってました。ゆびぱっちん
 けどマジギレした神奈子様にそうそう勝てるわけも無く、旧地獄から引き連れてきた怨霊全部吹き飛ばされて首絞められて意識が途絶える寸前に神奈子様に捧げられていた生贄達の怨霊を見てそれを爆破させて神奈子様倒すという事がノートに書かれていました。
 そういう展開は寧ろ漫画で読みたい気がするw
 その後に一連の流れを傍観していた諏訪子様にそのまま挑むけれども、全身を湖の水で浸されて着火が出来なくなり、諏訪子に負けてしまう。
 お燐の最大の弱点は自分の能力を知り尽くしているけれど、感情的で感情に身を任せると目の前の事しか見えなくなる。獣らしい習性の持ち主だと思う。某銀河帝国軍のあの人ではありません。決して
 この作品は連作で投稿した1~5とそれにお燐の話を加えて、6部が第一部、ここまでのタイトルが「CHARIOT&WORLD」でこの世界は幻想郷で火をつけて回る戦車がお燐ちゃんで実質お燐ちゃんがこの時の主人公でした。
 ちなみに感情に身を任せたのはこいしちゃんの策略で、お燐ちゃんが怒りに身を任せたいっていう欲望をかなえさせたという側面があって、諏訪子様は底に気を配って神奈子や早苗を見過ごしていました。まさか神奈子が負けるとは考えていませんでしたが、
 負けたお燐はそのまま逃げ出して、そして自分が自分の意思で動いているのか、それともこいしちゃんに動かされたのかわからないまま命からがら逃げ出します。
 ちなみに2部目のタイトルですが、石から生まれた意思ある妖怪が井戸の底より深い世界から侵略していく話(或いは井戸の底から人々にもたらされる一方的な幸福)ですので、「BY STONE WELL」でした。
 凄く誰かからまた怒られる気がして仕方がありませんでした。

霊烏路空……お空ちゃんは話で生い立ちは書きましたが、病を操る妖怪に両親や群れに鳥インフルエンザ蔓延させられて失ったところを妖怪化していたためかからなくて生き延びたところを星熊勇義さんに拾われて彼女の元で育てられた妖怪だという設定でした。
 鬼に育てられただけあって性格はちょっと大雑把で、けど手先は器用で大工仕事は一通り勇義さんに仕込まれてる。性格は結構ポジティブだけど、心のそこで自分の家族を殺した妖怪に対しては憎しみを持っていて、けどそれ以上に家族と一緒に住んでいた住処を「汚物は消毒だー!」した現場の式を取っていたピンク色の悪魔を実質本当を憎しみの対称にしていた。
 そんなある日、急激な妖怪化をしたお空は体に異常がないかを調べるために病院に定期的に通っていたのだけれども、その日主治医が急に休んでしまったため代わりに来た医者にかかる事になる。
 その時に見たのがあのピンクの悪魔であるさとり様だった。
 外の世界と通じている事と、地霊殿内の旧地獄の自立心が高い事、このために古明地さとりは医療技術の輸入に苦心していたため(それと他の生命体を理解するために)、さとり様は医療的にも旧地獄内で強い権力を持っていた。時には人手が足りない病院に臨時で入り込んでいたりしていた(能力ゆえにあまり有難られていないけど)そのために偶然に彼女の診察に当たってしまったが、彼女の心を覗き、自身から想起される心象風景を理解し、さとり様は彼女の復讐の正当性を語った。
 けれどもお空はそういった強い感情を表に出す場面にあまりなれていないため、彼女を前にしても自分がどう動けばいいのか分からなかった。
 彼女はその強い感情に負けそのままその場で倒れてしまった。
 後に勇義に保護され、事のあらましを教えられる。
 あの地霊殿には近づくなと強く言い聞かされながら、お空は数年後、それでも彼女は地霊殿にいくことになった。
 理由の一つが旧地獄の社会の閉鎖的な性質だった。
 旧地獄は長い間変化することなく様々な妖怪が同居していたため、増える事よりも減る事のほうが多かった事、そして、数多くの種族を抱えているため、一種族ごとにまとめて管理しなければいけなかった。
 鬼は鬼の仕事を、といった世襲制が根強いため、お空がいかに能力を持っていても鬼の仕事にありつけなかった。
 そしてもう一つがお空に対して古明地さとりから直々の召喚状が届いた事、地霊殿が旧地獄内部で強い発言力を持っていたため、それを1人の鬼の力じゃあ握り潰せないものだということを勇義も理解していた。
 自分の家族を殺した人間ではない事は理解できたけれども、それでも彼女に対する悪感情は抜けなかった。
 けれどもどうしようもない目の前の現実を理解できないほどお空も目の前が見えない妖怪ではなかった。
 その為勇義の元を離れて地霊殿に出向した。
 そこで灼熱地獄の管理を学ぶ、
 旧地獄の簡単な歴史……当然ながらこれも勝手に作った二次設定ですし、お蔵入りするならもういっそ吐き出したい、旧地獄がまだ地獄として稼動していたときは元々その土地にいた鬼達が管理していた。けれども地獄の廃止により数多くの鬼達が新地獄に移る中、あまり多くは無いけど残った鬼もいた。或いは、最後に旧地獄の全ての機能を完全停止させるための作業を行っていた鬼など、けれども灼熱地獄の火を止めるより先に、その旧地獄を外の世界で排斥された妖怪を収容する世界と変える為に新たに管理するとして古明地さとり派指揮系統が混乱するさなかで、灼熱地獄を管理する施設を買い取り、そのまま住居にしてしまった。そして居残った鬼たちにも戸籍を作り、管理を始めてしまった。
 さとりは旧地獄の鬼たちに次々に新しい制度を押し付ける電撃作戦を行った。
 手続きを複雑化して旧地獄が街として機能できる最低限の永住者を用意し、その管理が必要だと今度は四季映姫も出し抜いて旧地獄を彼女が完全統治する体制を作り上げる。
 そして、最初に掲げた外の世界で排斥された妖怪たちの移住が始まる。
 外の世界に住んでいた土蜘蛛や、鬼を率いていた伊吹萃香や星熊勇義、命連寺の没落によって流れ着いた雲居一輪や村紗水蜜などなど、その人口は元々その土地に住んでいた者たちを大分上回っていた。
 元々住んでいた者は鬼が多いが、地獄で一生を過ごしてきた鬼と外の世界で略奪を行っていた鬼が和解できるわけも無く、当然ながら不満が募った。
 そして新しく移民してきた妖怪たちも一気に移民したわけではなく、長い年月をかけて膨れ上がり、多民族国家のような体となっていた。
 さとりはそうなる事を分かっていたし、それでどちらかが根を上げて助けを求める声を待ち望んでいた。
 そして様々な箇所で不満が立ち上る中、さとりは全ての妖怪に一つの宣言をした。
「旧地獄に住まう全ての妖怪に告げる、それぞれの種族は代表者を1人募り、地霊殿に集まりなさい、私から一つ提案があります」
 彼女の言うとおり、人数の多い所属はそれぞれ1人ずつ、数の少ない、若しくは単一の妖怪たちからは代表として雲居一輪さんが地霊殿に向かいました。
 地霊殿の中で代表者たちはさとりに、地霊殿のさとりの完全自治権を認めさせ、そして代わりに街の掟は全て合議制で行い、そのために一定の周期でそれぞれの種族の代表者を選出して会議を開く、そしてそれには古明地さとりも代表者と同等の権利を持つ事を認めさせた。
 彼女は地霊殿に住む妖怪が殆ど居ない事、そして旧地獄ではイレギュラーな妖怪化していない知性を持たない動物などを積極的に取り入れるため、自身の公平性を謳った。
 当然ながら反論も多数出たが、旧地獄の要である灼熱地獄の管理に関する技術を元々住んでいた鬼には失伝していたため(さとりの工作)その全容を知っているのはさとりとその配下だけだったため、それを飲むしかなかった。
 実際彼女の提案を受け入れた途端、多くのおきてが決まり、それぞれの妖怪たちの住み分け、共生区域における決まりごと、有事の際の組織の結成など様々なことが瞬く間に決まり、そしてドラスティックな改革が行われた。
 旧地獄が秩序を取り戻したという恩恵は大きかった。
 しかし多くの妖怪たちが心を読むという忌避された妖怪から目を背けられない事実にも旧地獄の妖怪たちは直面した。
 秩序とある程度の平穏を旧地獄が手に入れたとき、地霊殿の地位は不動のものとなっていた。
 そして地霊殿内部の機密性も多くの妖怪たちからは嫌われていた。
 けれども多くの妖怪たちはすでに古明地さとりという一個人の舵取りを実力で理解してしまったためただ嫌うわけにもいかなくなった。
 そして合議制にしたことにもさとりには意図があった。
 さとりは心が読めるため会議を自分の有利な方向に運ぶ事が出来た。
 彼女が最も恐れた事は一つの勢力が他の勢力と強く結びつく事、地霊殿は妖怪が少ない事、そして何より悟り妖怪は妹を除けば自分ただ1人で、旧地獄内部ではマイノリティの最たるものだったからだった。
 地霊殿と灼熱地獄、そして能力が彼女の武器だった。
 彼女自身是非曲直庁の公認の管理者としてのプライドと、なにより支配者であるという自覚があったためその立場を捨てる気も無いし奪わせる気も無かった。
 だから争いが起こらない程度にお互いを引き離し、横の繋がりのない閉鎖した社会を作り上げ管理した。
 それで平穏が暫くは続いたが、悩みの種は今度は地霊殿内部から発生した。
 灼熱地獄の衰退と紅蓮地獄の恐怖の到来……旧灼熱地獄の火種はただの火種ではなく妖怪化した火種だった。
 それは多くの死者の魂を喰らってきたために妖怪と化したという経緯を持っていたからだった。生きているものはやがて衰弱する。その寿命が長年の生命としての活動のため終わりが来ていた。
 本来旧地獄は寒い世界であり、灼熱地獄の恩恵を受けない限りその土地は凍えきってしまう。それこそ生物が活動できなくなるほどに、一瞬で凍りつく土地を恐怖を込めて旧地獄の住民は紅蓮地獄と呼ぶ、
 当然管理者であるさとりにそんお矛先が向かうが、さとりはあの火種が妖怪であるという事を包み隠さず告げる。
 当然多くの妖怪たちが疑問を投げかけるが、彼女はその第三の瞳で旧地獄の心を読んだという。
 そしてその旧地獄の火種はただの妖怪ではなく、消えてしまえばそのままこの旧地獄の妖怪たちが自分を含めてその日のうちに死んでしまうのだと、ある意味で灼熱地獄の火種はこの世界の神様であると、
 多くの妖怪が延命措置を求めるが、そもそも技術的に秘匿部分が多いため強く批判は出来なかった。情報の開示を求める声も上がったが、けれども灼熱地獄の終焉が近いことはほぼ全ての妖怪たちの共通認識だった。
 古い時代から居る妖怪は技術こそ失えどもそういった状況は肌で感じ取っていた。
 さとりはこの件に関して自分に対応を一任するように提案した。
 反対の声も上がったが、そもそもが地霊殿はそういった時の対応も含めた管理責任があるため、多くに同意された。
 そして彼女が提案した事が、新しい火種を手に入れることだった。
 さとりは幻想郷にも幾度か訪れていた。
 そおで妖怪の山に新しく出来た神社の噂を聞く、その神様が新しいエネルギーの開発に執心である事を知る。
 八坂神奈子と出会い、彼女の言うヤタガラスに興味を持つ。
 原理を聞き、そしてさとりは一つの提案をする。
 神を下ろす力をそちらが出すのなら、こちらは器を用意すると、
 そこで古明地さとりは自身の種族としての本能が疼くのを自覚する。
 身を裂かれるかのような憎悪の炎を燃やした地獄鴉の心象風景を思い起こした。
 それは長く退廃しきった地獄ではついぞぶつけられる事のない感情だった。
 かつて自分の代わりに目を潰した妹の感覚が少しだけ分かった気がした。
 他者から強い感情をぶつけられる事の心地よさを、この感情こそが地獄にこそ相応しいと。
 まぁここの部分口授のお空ちゃんの設定に完全に否定されてるから今更書くことも出来ないんですけれどねw
 ここまで書いてて今更ながら思うんですが、さとりさまの性格が完全にルル様になってしまっていた。

 お空ちゃんはその後、さとりが黙認の元、神奈子さんに改造されます。うわーやめろーしょっかー!
 ヤタガラスの意思と元々持っていた自分の意識の混在とそしてまもなく知らされたお空の家族の死の真実と地上に呼び出されたのに遥か地下の太陽も見えない世界での幽閉されたヤタガラスの怒り、この二つがお空に異変を起こさせた。
 自身の感情が一体どちらによって動かされているのかも理解できない状況で、
 お空の家族の死……お空の家族の死はさとりが旧地獄の世界に創り上げた管理システムの弊害でもあったため、さとりも彼女の復讐すべき人物の1人だった。

 地霊殿のシステム……多種族の旧地獄で別々の種族が密集して住むために共通のルールが必要だった。さとり自身は適度にそれぞれの種族が独立している事が重要であったが、逆にそれぞれが反目しすぎる事に関してはあまり歓迎しなかった。だから争いの火種となる事は極力避ける方策を練っていた。
 当然ながら多種族との殺し合いは表立ってはご法度だけれども、本来他者の命を奪う事でアイデンティティを成立させている妖怪も少なからずいる、というかそういう事が原因で排斥された存在も多い為に、それのはけ口を非妖怪に求めた制度を作り、地霊殿で管理する以外の非妖怪の処分にあてた。
 その為に下手人を殺せば(この場合当然ヤマメちゃん)いいということだけではすまなくなった。
 強い敵愾心が為にお空はお燐の言葉すら耳に入らなくなった。
 地霊異変の後にお空は結局自らの感情をはっきりできないままだったけれど、お燐の説得とその結果お燐が倒れてしまったため、彼女を助けるためにさとり様に助けを求めないわけにはいかなくなった。
 さとり様は彼女の行いの全てを理解し、そして彼女に選択させた。
 自らの命を以て断罪するか、それでもなお自身に恭順するか?
 お空も度々勇義に聞かされていた。
 悟り妖怪は忌み嫌うべき妖怪だ、しかしそれに反してこの旧地獄にとっては必要不可欠な存在だ。彼女無くしては秩序は得られなかっただろう、嫌われ者がどうして私達を生かすのだろう、この世界を嫌っているのか、壊したくは無いのか、数多くの疑問を勇義に投げかけられた。
 お空の家族はさとりの作った秩序によって殺された。それに反して妖怪化した自分が生きていられたのはその秩序があってからこそだった。
 何より自分がどういう存在なのかを知っていてもさとりは自分を特別避けるような扱いはしなかった。
結局お空はさとりを憎みきれなかった。
 彼女の撃った一撃は地霊殿の天井を穿ったが、それで終わりだった。
 お燐はさとりのやり方に憤った。
 全ての責任をお空に押し付けて自分だけは死ぬのか? この世界の責任も取らずに1人で勝手に、そんな奴に仕えることなんてできるかと、吐き捨て、お空を連れて地霊殿を去った。
 さとり自身も自分の行いの全てが正しいと他人が思っているほど盲目に信じていなかった。
 何かを信じて行動するのはこいしだったし、自分は他者どころか自身すらも信じないで生きてきた存在だったと、
 このあたりを実は未だに何が書きたかったのかが混乱していますが、まぁ多分さとり様自身自分が何故何かを盲目的に求めているのか、そして求めているものは何なのかを理解できないで生きてきた、というのを書きたかったんだと想います。
 作品で以前書きましたが、彼女を旧地獄に呼び寄せたのは八雲紫でした。
 私自身が大体さとり様が地底の旧地獄に来た時期をきちんと設定していませんが(話の本筋には関係ないので)大体命蓮寺で白蓮さんが封印されるより遥か前で(最低でも雲居一輪達が地底に封印されるころには旧地獄の秩序がある程度整っている必要があるので)古明地姉妹の実年齢はそれこそ原始自然信仰の出来ていた時代なので、私のこの設定の中では八雲紫より実年齢が上で永琳さんより年下くらいの設定ですね。
 人々の観念というか形而上的な思考を持ち始めた頃くらいかな、とも考えたりしますね。
 まぁ大体平安前期くらいの頃に八雲紫さんは妖怪たちが消えていくという現象に気づき、その消えていく妖怪を消さない方法は無いかと考えていました。
 その中で、今現在の幻想郷の雛形である、現実世界から閉じた世界というものを作れないかと仮定をしていました。
 その中で机上論だけではどうにもならない、数多の違う存在を一つの空間にまとめて秩序を得るにはどうしたら良いか?
 その仮定を実証するものを探していました。
 自分ほどとは言わないまでも人心を掌握出来て、指揮を取れる妖怪はどこかに居ないかと探していたところ、日本にさとり妖怪という溶解が現れたという噂を聞きつけ、それを利用しようという案が成立し、そして、彼女に旧地獄を紹介した、という経緯がありました。
 実際古明地さとりと出会い、彼女と言葉を交わしていくうちに彼女に対しても何らかの愛着もあった。
 何れまた合おうという約束をして彼女を地獄に送り出した。
 地霊異変の後、彼女に再会したときに紫はお空の復讐を止めに入ってさとりをかばう、けれども、それと同時にこいしに意識を乗っ取られてしまう。
 その可能性を考慮し、自身の意識の一部を藍に移送し、最終的に橙の体を借りてこいしに挑む、
 旧地獄に居場所を無くしたお燐は地上に新天地を求めたが、結局それも出来なかった。
 八坂神奈子も心を読める妖怪のことを信用しているわけではなかった為、例えば神の火の力を持って地上に攻めてくる可能性を考えていないわけではなかった。
 その為ヤタガラスの力に制限を与えていた。
 それがヤタガラスが求めていた本物の太陽を見たときに、その機能の全てを一時凍結するものだった。
 それによってお空は意識不明の状態に陥り、そのままこいしの作った仮想世界の太陽となってしまう。
 お燐は原因とそしてヤタガラスがどのようなものかを予めさとり様から聞き出していたため、怒りに任せて守矢神社を目指す、
 ほぼ同時期にこいしの地上侵攻が始まる。
 紅魔館や魔法の森などの数多の存在の意識を乗っ取り、自らが創り上げた仮想世界に放り込んでいってしまう。
 お燐も妖怪の山で数多くの妖怪たちをなぎ倒しながら守矢神社を目指す、けれどもその感情もこいしに操作されたものであり、倒された妖怪たちはそのまま意識を失い、こいしに回収されてしまう。
 結果としてお燐は無自覚にこいしの計画通りに動いていた。
 お燐にとって古明地こいしという存在はさとりの一部だという感覚があった。
 これも全てさとりの仕向けた事なのかと、憤りながら、彼女も諏訪子に負けたと同時に意識を乗っ取られてしまう。

 ここまでが第一部でやりたかった事だけれど、ここから第二部のプロットを考えている途中で例の神霊廟の発売によってあーあーあー!となっておりましたw
 だからこの後のところはかなり飛び飛び担っているのですが、仮想世界の中で意識を乗っ取られた妖怪たちはその世界を構成する何かになっています。建物や自然物や機関だったり、住んでいる人だったり、未来も無く、過去も無く、ただ日常を繰り返す日々、その世界に疑問を持った存在は記憶を改ざんされてまた同じ日常を繰り返す事になります。
 この仮想世界に関してはいろいろ案がありましたが、悪乗りで学園都市だとかにしてました。
 その中でたとえどんなに記憶を改ざんされても世界に疑問を持つ人たちが現れました。
 先の異変解決に関わっていた人たちです。
 具体的に名前を挙げると魔理沙、アリス、パチュリー、にとり、文、萃香、それにお燐
 アリスは紅魔館を訪れたときに異変に気づき、調査を開始したけれども、こいしちゃんの不意打ちを食らって仮想世界へ着たけれど、それまで研究していたイs機の一部を人形に移す研究を実践し、上海人形に意識の一部を飛ばしているため、ここが現実ではないと最初から分かってました。
 文は自身が撮った写真にそれまで写っていなかった人物が周囲に増えていっている事に気づき、異変に気づき、それを暗号にして記憶が消されても伝達できる術を見出します。何よりこの異常事態をネタにしたくてたまらないという欲求が強くなります。
 他の人物もそれぞれアリスに教えられたり、元々さとり妖怪を快く思っていなかった萃香などなど
 現実世界では霊夢に上海人形の姿のアリスが伝える事で異変が発覚し、事の全てを知るために旧地獄に向かう! レイアリ!レイアリ!
 
 お燐は意識を失ったときからの記憶が残っていたため、この世界で太陽となってしまったお空を取り戻すために1人で事の真相に迫る。
 そんな中、八雲紫を見つける事が解決に繋がる事を知り、魔理沙たちを幾度も誘導する。

 旧地獄で生命活動を正常に行っていたのは古明地さとり1人だけだった。
 荒れ果てた旧地獄に驚きながらも二人は進む、そしてさとりにこの異常事態を告げると、彼女は全てを理解したのか、その原因がもう一人の自分である事を答えた。
 表裏一体の妹のこいしと自分はそれぞれ他者の意思を求めていた。
 全ての存在の統合意思、それこそが能力を行使しなくても他者の全てを理解できるものだというとんでもない妄想を姉妹で共有しているのだという事を聞かされた霊夢はそんなものは誰も望んでいないと、それは同じ能力と記憶とそして意思を持ちながら得た結果はまるで違うあなたたち姉妹が一番良く表していると
 さとりは、ならそれを私が伝えなければいけないと、答えた。
 橙が三人の前に現れ、霊夢の結界の能力と、橙の誘導上海人形とアリスによってそのどこにあるか分からない仮想世界の座標特定を行い、こいし空間への道を切り開く、
 お燐はお空が太陽に変わった事を知り、その太陽に対して戦いを挑む、
 魔理沙たちは迫り来る大量の量産型古明地こいし軍団にスペルカード無しで立ち向かい、なんとか八雲紫を起こす、
 八雲紫の覚醒により仮想世界への道が切り開かれる。
 その通路を歩み、古明地さとりは何百年ぶりか、自身の妹である古明地こいしと再会する。
 彼女が目を閉じたそのときから彼女はさとりの影であり、背中であった。さとりが表立って旧地獄を動かしたときにそれを円滑に進めるために無意識を操っていたのがこいしであり、影の旧地獄の支配者だった。
 当然そのからくりはさとりは知りえなかった。
 表で人々の情動を操作したさとりは他者は限りなく分かり合えないという事を知った。
 影で旧地獄を操っていたこいしはどんな存在でも自分の思い通りに動く事を知った。
 けれどもそれはどこまで行っても虚妄の域を出なかった。
 こいしの居る空間には大量の缶詰が置いてあった。
 その缶詰には数多の幻想郷の住人達の名前がラベルに貼られていた。
 しかしその缶詰は一つ一つ形が歪んでいった。
 結局こいしの仮定は間違っていたお互いの事を一つの意識として統合したところで人の自分であるというそれぞれの欲望を決まった幸福で満たすだけではまとまらない事を表していた。
 それでも自らの答えを否定するさとりを受け入れられないこいし
 そのこいしに答える。
 そのあなたの気持ちがあるからこそ私達ですら分かり合えないのだと、そして分かり合えないからこそ分かろうとするのだと、
 その言葉と共に彼女達の最後の戦いが始まる。
 
 結果として解放された人々にとっては仮想世界の出来事を何かの夢だったかと捉える人々が多かった。その為に当事者以外は数日ほど眠っていたんじゃないかという気楽なものだった。
 その為妖怪の山以外ではそう大きな話題にはならなかった。
 天狗社会では守矢神社に対する警戒が強まり、旧地獄との繋がりはかつての鬼の支配を呼び起こさせる可能性もあった。
 何より旧地獄の武力介入があったこと、この二つから警戒を強めた。
 古明地さとりはこの状況を利用した。
 お燐による妖怪の山での騒動は旧地獄による挨拶だといい、そして、幻想郷の一因となるけれども、必ずしも恭順の意味を示していないと、いう示威行為であり、独自性を持っている事を表しているとした。
 結局分かり合えないという事を自らが示し続ける事をさとりは決めた。
 お空は全てを納得したわけではなかったけれども結局お燐の存在を否定できなかった。
 お燐は地上で不穏分子として扱われてしまったため地上に住む事はできないと悟った。未だに信用できないさとりだったが、瀕死の彼女を救ったのはさとりだった。
 意識が戻った後もさとりをお燐は結局許せなかったけれど、さとりにもう一度一緒に暮らしましょうと言った。
 お燐はその言葉を聞いてその答えは私の心を覗けばいいじゃないですか、と聞いた。
 その言葉に首を振って否定した。
 心が読めても他者を完全に理解は出来ないんです、それは随分と長く錯覚していました。だからあなたの心の声を聞かせてください。
 お燐はこういう言い方は卑怯だと思いながらも、結局ここにとどまる事しかないんだろうと妥協した。
 こいしは結局自分の考えの根幹を否定は出来なかった。けれどさとりとはどこまで行っても理解しあえない事だけは悟った。
 ではその分かり合えない事とは何なのか、それを知るために、外に出ない姉の代わりに外に出て沢山の意識を見て、その知らないもう一人の自分とまた向き合おうと思った。

 っていうラストを書こうと思っていたんですが、なんか書いているうちにああ、なんかこれって色々おかしいなーっていうのは感じてます。
 まぁせっかくのエイプリルフールなのでこういうの投稿してもいいかなと想い、今日ここにこの作品は埋葬して新たな地霊SSを書こうと思います。
 私個人地霊殿から入った人間なのでやっぱり思い入れが強いのでいつか本当に一個長編書きたいですね。
 なんかもう沢山傑作って出ているのであとから乗っかってるかなって思いますけど、やっぱ自分でかきたいですねぇ
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コメント



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1.77777指導員削除
迷わず書けよ!書けば分かるさ!